指を使ったムドラーとは?自分のエネルギーを操る裏技、ムドラーの魅力と効果について
日本に住むほとんどの方は、お寺に行き、仏像を見たことがあると思います。そして、仏像の多くはある特定のジェスチャーをとっていることに気づいている方も多いのではないでしょうか。
我々が目にするこうしたシンボルやジェスチャーには、古くから人類が知っていたある隠された力があることをみなさんはご存知でしょうか?
今日では、有名人や政治家がこうした手のジェスチャーを行うのをよく目にしますが、これは単なる偶然の一致ではありません。
これらの一見意味を持たなそうに見えるジェスチャーの背後には、どんな秘密やエネルギーが隠されているのでしょうか。これらの手の形は、あなたにどんな印象を与えるでしょうか?
ブッダやキリストをはじめとした、多くの人物のジェスチャーがなぜそんなに似ているのか、あなたは考えたことがありますか?
何気ないこの形に関心を持つ方は少なく、ただの偶然だと思うかもしれませんが、実はそれ以上に深い意味があります。
そしてこの秘密を知ったとき、あなたは人間に隠された神秘的な力について、本質的な理解をすることができるでしょう。
この記事ではこうしたサインやジェスチャーがどのような意味を持つのか、伝統的な側面と科学的な側面、両方から探求していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。
伝統的な側面から見たムドラーとは?
まずは伝統的な側面から、この印象的な手の形がもつ特徴についてみていきましょう。宗教的な伝統と同様に、数千年前からこの手の形は存在していました。
例えば、ヒンドゥー教や仏教の伝統においては、特定の手や指の象徴的な位置付けは「ムドラー」と呼ばれ、これはサンスクリット語で「印」または「象徴」を意味します。
多くの人々はヨガをしている人や仏像などでムドラーをみているため、ムドラーがアジアに限定されていると考えますが、これは正しくありません。
実はこれらの手の形は世界中で見られ、私たちの祖先は儀式的にそれらを使用し、思想や言葉を表現していました。
しかし、キリスト教が普及していく過程で、これらのジェスチャーの多くは異教徒とみなされ禁止されたのです。
例えばインドにおいて、ムドラーはすべての宗教活動の重要な要素となっています。
これらの強力なシンボルは古くから使用されており、今日でも関連性を持っています。
後ほど説明する「ジュニャーナ・ムドラー」のような、ムドラーとは知らずに同じ手の形をとっていたり、みたりすることがありますが、この特定の手の形は単なる偶然の形ではなく、強力な意味を持った象徴的な形です。
これらの手の形が何世紀にもわたって続いていることは、それが表面上のものではなく深い意味を持つことを表しているといえるでしょう。
しかし、それらの正確な意味は何でしょうか?それらはどのように機能しており、またこれらの手の形の背後にある秘密は何でしょうか?
これらについて解説する前に、今度は科学的な側面からこのムドラーについて見ていきましょう。
科学的な側面から見たムドラーとは?
前提として、人間の体は本質的に電気的な特性を持っています。このように言われてもパッと納得することは難しいかもしれません。
しかしこの電気的特性がムドラーには非常に重要な要素として関係してきます。少し深掘りしてみていきましょう。
ムドラーの効果は人体構造に関係している
1940年代に活躍したイエール大学の神経解剖学者であるハロルド・サクストン・バー博士は知っておくべきでしょう。
彼は、生物の周りには見えない生命エネルギーのフィールドがあると考えていました。彼の考えは斬新で、これらを確かめるためにまず全ての生物の卵を調べ始めました。
そして驚くべきことに全ての卵は、プラスの電荷が頭から発生しており、尻尾の位置ではマイナスの電荷が発生していることを突き止めました。
プラスとマイナスの極があれば、それは電気的および磁気的なフィールドを形成しているといえます。
このことからもわかるように、あなたの体には電場と磁場の両方があり、電気的存在です。
そして、指は体内のさまざまなシステムに接続する電気回路として機能します。我々人間の指は、運動神経や感覚神経が集まる人体における末端部位であり、体を流れる電気信号の末端箇所です。
つまり、これらの末端部位を起点として、体のあらゆる部位に意識を向けることで、末端から中枢までの電気信号を意識することが可能といえるでしょう。
さらにこれらの現象は、あなたの体の機能だけでなく、周囲の世界とも相互作用的に影響を与えます。
わかりやすい例を挙げるとすると、乾燥した時期に毛布から出た後にドアノブを触ったら静電気が発生した、これは典型的に人間が電気的特性を持つことを表しています。
そしてこの現象はあなたが外界に相互作用的な影響を与えていることを十分に証明できるものといえるでしょう。
人体構造とムドラーの関係とは?
では、これらの科学的根拠がムドラーとどう関係するのでしょうか?
ムドラーは、言うなれば体の電気的特性を利用して特定のエネルギー回路を作り出す古代のジェスチャーです。
特定のムドラーを作ることで、体の電場と磁場を整え、物理的および精神的な状態に影響を与えることが期待できます。
この理論は非常に興味深いですが、ジェスチャーだけなので、実践からも実感することができるでしょう。
ムドラーを利用して手のひらを使い、様々な形を作ることで、身体的な影響を感じたり、精神的な変化や気付きを得ることができます。
しかし、ここで注意しておきたいのは、ムドラーによって手の形を作ることそれ自体が目的ではないということです。先ほどの電気回路を作るという例で理由を説明してみましょう。
電気回路と聞いて想像しやすいものだと、ロボットが良い例です。例えばあなたが今、掃除用ロボットを作りたいとします。
この掃除用ロボットをしっかりと掃除してくれるように動かすためには、電気回路が必要なのはいうまでもありません。
しかし抑えておきたいのは、ここでは掃除用ロボットが十分に掃除できるように動かすことが目的であり、電気回路を作ることそれ自体が目的ではないということです。電気回路は必須ですが、最終目的はロボットを動作させることです。
ムドラーも同様で、形を作ること、つまり電気回路を作ることそれ自体が目的なのではありません。その形を作った上で、そのムドラーの特性にあった意識の創造や自己に対する気付きを得ることこそが目的なのです。
そしてこうした気づきを得ることによって、今まで意識することができなかった、自分の無意識領域に少し踏み込むことができるでしょう。
これにより、あなたに意識の変化が起これば、それはあなたの生活に何かしらの影響を及ぼすことは想像できると思います。
このように、科学的な側面から人体の持つ特性を根拠に考えても、ムドラーの持つ神秘的な力は少なくとも何かしらの効果が期待できるといえるでしょう。
そして余談ではありますが、本メディアでは、私の体験を例にとって、さまざまなムドラーを形作ることで自己に対する思い込みや限定的な考えに気付くためのきっかけを作っていきたいと考えています。
ヨガの観点から見たムドラーとは?
動画のはじめでも述べたように、ムドラーは太古から存在しています。ここからは同様にそうした長い歴史を持つ、ヨガの観点からもムドラーについてみていきましょう。
こうした特定の指の位置は、体に流れるエネルギーの流れを整え、滋養効果を期待するだけでなく、ヨガでは「プラーナ」と呼ばれる人間の持つ生命エネルギーの流れに影響を与え、我々が天や仏、神とよんでいるものとのつながりを促進するといわれています。
各ムドラーには特定の意味があり、物理的および精神的なさまざまな利益をもたらすと伝えられています。ヨガで最もよく知られているムドラーは「ジュニャーナ・ムドラー」で、親指と人差し指を結んで円の形をつくり、他の指を伸ばしておく姿勢です。
この形をみたことがある人は多く、ヨガや瞑想と聞いたらこのような形をとっている姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
ムドラーを理解するために各指の意味を知る
それではここからヨガの思想をもとにムドラーの理解をさらに一歩進めてみましょう。ムドラーの意味をさらに深く理解するためには、どのように指が接続されていて、またその指にはどのような意味を持つのか観察する必要があります。
古来から伝わるムドラーにおいて、人間の5本の指にはそれぞれ異なる属性や意味があると考えられています。ジュニャーナ・ムドラーだと親指は宇宙意識を象徴し、人差し指は個人の人間意識を表します。
そもそも「ヨガ」という言葉は「結合」を意味し、その基本的な目的は常に人間と宇宙意識の結合です。
したがって、このムドラーを行うことで、神や宇宙といった、人間が古来から神聖と考えているものとのつながりが促進されると解釈することができるでしょう。
瞑想中にこのムドラーを行うことで、より高い意識レベルに到達することが期待できます。また、こうした知識を持っておくことは、あなたにとって新たな気づきを与えるきっかけになるかもしれません。
自己治癒のツールとしてみたムドラーの効果とは?
インド、中国などの東洋諸国では、実際にムドラーのもつ治癒力が何千年も使用されてきました。古代のヴェーダ文献には、これらの手の位置を使用することで、多くの病気を治したり、また免疫システムを強化して精神的なレベルを高めることができると記されています。
このような自己治癒的な医学的見解は、アーユルヴェーダとして古代インドから伝わっています。しかも驚くべきことに、アーユルヴェーダは実際に世界三代医学の一つであり、WHOからも公式に認められています。
そしてもちろん、アーユルヴェーダ療法ではムドラーの特徴がみられます。つまりムドラーは自己治癒において効果的であるといえるのではないでしょうか。
ここまで聞くと、ほとんど魔法のように聞こえるかもしれませんが、実は私たちにはもっと大きな力があるのかもしれません。
今日では西洋文化の影響を受けた社会構造が一般的ですが、それは多くの場合、自主性を外部に委ねることが一般的です。健康はその典型的な例です。
現代医学は無数の命を救い、多くの場合に不可欠ですが、私たちは自分の持つ自然治癒力について理解を深める必要があるかもしれません。私たちは人生のあらゆる分野で自己を強化する時期に来ています。
とはいえ、だからといって極端に西洋医学的な要素を排除すべきといっているのではありません。自分で対処できる範囲から実践していくことが重要で、現在治療中の不調があったりするのであれば、まずは医師との相談をおすすめします。
重要なのは何か一つを極端に信じ込むのではなく、バランスをとり、より広い視野を持って理解することです。
話を戻しましょう。昔から東洋で行われている健康のための実践方法として、ヨガや太極拳、気功などがあります。
これらの実践方法は、人の肉体と精神的状態を調和させることに基づいています。そしてこの考え方は、元来私たちの祖先が世界観の一部として持っていたものでした。
こうした調和を得るために、ムドラーを太古の人々は使用していました。また、科学的な側面からみても、手や指先には多くの電気的特性を持つチャネルがあり、そこで電気回路を作ることは体のシステムや臓器の生命エネルギーと接続することを意味しています。
ある特定の方法で指を結ぶことで、内部のエネルギーの流れを調整し、体の中のさまざまな部位や臓器、神経において情報とエネルギーの交換を促進します。つまり、ムドラーは体のエネルギーを再配分したり強化したりすることで、全体的な健康状態を改善するといえるでしょう。
ムドラーに関係するエネルギーチャネルについて
では、これらのチャネルとは何でしょうか?国や文化によってその呼び方は異なります。
インドでは「ナディ」と呼ばれ、中国では「経絡」、日本では「経」と呼ばれます。鍼灸院や東洋整体にいったことのある人は経絡という言葉が馴染み深いかもしれません。
インドの伝統によれば、これらのエネルギーチャネルは体全体に72,000本もあると言われています。そしてこの72,000本のチャネルは、大きく分けて体の左、右、中央の3つの基本的な経路(イダ、ピンガラ、スシュムナ)から派生します。
エネルギーチャネルは体内において、生命エネルギーであるプラーナが移動する経路であり、これらのエネルギーはランダムに移動するのではなく、確立された経路に沿って移動します。
古来から続く伝統では、太古から病気は、これらのチャネルのいずれかでエネルギーの流れが妨げられることによって引き起こされると考えられてきました。
科学的にエネルギーチャネルについて理解する
しかしそうはいっても体にエネルギーを運ぶ72,000本もの経路があるなんてなかなか聞くこともなく、実感することもないでしょう。ここからは科学的な側面でこの体にあるエネルギーの経路についてみていきましょう。
なんと経絡の存在が初めて科学的に確認されたのは、1962年から1965年にかけて、北朝鮮にあるピョンヤン大学のキム・ボンハン(金鳳漢)博士によってです。
彼は人間の体内に特殊な管状構造があることを発見し、その存在はその後の研究によって確認されました。現代の科学者たちは、このシステムが実際に経絡を流れるエネルギーの物理的な構成要素であることを示唆しています。
現代では科学が発達したことにより、多くの物事を検証することができます。
そして古来から伝わるムドラーのような実践方法と科学的検証を交えることが、私たちの健康や幸福に対して、より理解を深めるための方法だと私は考えています。
先ほど、理解において何か一つを極端に信じるのではなく、バランスが重要だと話しました。これも同様で、科学的見解と伝統的な見解、両方のバランスをとりながら理解を深めていくことが重要だと考えます。
キネシオロジー(運動学)の側面から見たムドラーの効果とは?
また、人体の反応を調べる学問においてもムドラーは非常に興味深い結果を残しています。1960年代頃に提唱された、キネシオロジー(運動学)と呼ばれる学問では、身体の動きや筋肉の機能を改善するための代替療法として、なんとムドラーが診断や治療のツールとして使用されます。
キネシオロジーの専門家は、特定のエネルギー回路を活性化して調和させるためにこれらの手のジェスチャーを使用し、体のエネルギーシステムの不具合を特定するのに役立てているのです。
キネシオロジーのセッション中、セラピストは患者に特定のムドラーを形成させ、筋肉テストを行うことがあります。様々な形をとったムドラーに対する筋肉の反応を観察することで、セラピストはどの部分に注意を必要としているかを判断できるのです。
例えば、あるムドラーは特定の臓器の健康状態を評価したり、潜在的に眠る感情的問題を特定するのに役立ちます。実際に、指を毎日マッサージすることで多くの健康問題を予防することができるといいます。
これは現代におけるサービスや商品からもみて取れます。実際に手のひらをマッサージする商品や整体もあることから、手のひらを温めてマッサージするだけでも健康的な効果が期待できるといえるでしょう。
しかし、なぜこの情報が学校で教えられたり、ニュースで広められたりしないのでしょうか?科学者にはもう新しくないこの情報は、なぜ普及しないのでしょうか?
もしあなたが薬の摂取などに頼ったわけではなく、こうした自己治癒的な経験を持っているとしたら、それについてもう少し自分を信頼しても良いのかもしれません。
ここからはムドラーによる気付きとは何かについて、拡大的な解釈から見ていきましょう。
地球にもエネルギーチャネルが存在する
なんと我々の住むこの地球にも「レイライン」と呼ばれるエネルギーチャネルがあると言われており、人間の体の経絡と同様に機能するといいます。
これらは、歴史的、もしくは文化的な自然の場所を結ぶ地理的な整列です。例えばエジプトのギザのピラミッド、メキシコにある古代遺跡、チチェン・イッツァ、イギリスのストーンヘンジなどは、これらのレイライン上に建てられています。
また、日本にある神社やお寺、さらには古墳などはどのような理由でそこに建てられたのでしょうか?これは私の個人的な意見ですが、そこにレイラインがあるからではないかと思います。
全部ではないにしても、有名なお寺などにいくと案内板などに、いついつに誰々がそこで霊力を感じ取って開山した、などと記載されています。
これはそこにエネルギーチャネル、日本では霊力と呼ばれるものがあると捉えることができるのではないでしょうか。
もう少し具体的な例をとって考えてみましょう。お寺によくいく人はお堂に入った時など、明らかに外界とは違う雰囲気を感じ取ったことのある人もいるかもしれません。
キリスト教における大聖堂などでも良いでしょう。大聖堂に入ると何か心が落ち着くような感覚、もしくはその逆に少し高揚した気分を味わったことのある人もいるかもしれません。
そういった神秘的な場所に訪れると何か神聖な気分になったりするのは、そこに地球のエネルギーが流れ込み、あなたが無意識的にそれを感じ取っているからと解釈できるでしょう。
感じるということは、そこに何かが存在していることを意味します。存在していなければそもそも感じたり考えたりすることすらできません。これはムドラーの実践においても同様です。
まとめ
本チャンネルではさまざまなムドラーを紹介していきますが、何か一つはあなたが言葉では言い表すことができないような感覚を覚えるものがあるでしょう。
感じるということはそのムドラーがあなたにとって相性が良かったり必要であることを示唆しているのかもしれません。
そして何かを感じ取ったのであれば、それは自己に対する理解を促進する材料になります。
例えば呼吸を穏やかにし、リラックス効果を促すムドラーが存在します。そしてあなたが瞑想などの際に、このムドラーを取り入れ、とても心地よいような感覚になったとしましょう。
これは、日頃あなたが緊張状態にあり、過度に警戒反応をしている可能性を示唆しているかもしれません。
このように、ムドラーを組んだ際の感覚について分析することで、自分でも気づいていない問題点や、伸ばすべき特性を発見することができるでしょう。
各ムドラーにはさまざまな特性があります。
その特性について本メディアで詳しく解説しますので、その知識とともにムドラーによる感覚を意識することで新しい自分の特性に気づくことができるでしょう。
新しい自分を発見するということは、今までの自分とは違った自分に生まれ変わるための、はじめの一歩を踏み出すことを意味します。
人生において重要なことは、自分がなりたい自分に変化していくことです。しかしそのなりたい自分が見つからない人、見つけてもこれまでの過去の自分による無意識の縛りに気付けず、変化しきれない人は大勢います。
ムドラーを利用して新しい自分を発見し、自分が望んでいる本来の姿に近づいていきましょう。
以上がムドラーの魅力とそのおおまかな効果についてです。さまざまな有益なムドラーについて発信していくので、今後もぜひ参考にしてみてください。